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北里大学大学院
スポーツ・運動器理学療法学
& スポーツ医学 研究室
共同著者・演者
渡邊裕之,河端将司,高平尚伸
概要
(背景)新型コロナウイルスによる感染拡大は,部活動やプロスポーツなど多くの競技で集団感染を発生させている.スポーツにおける感染リスクは,集団生活や競技特性による密の発生などが考えられているものの,運動負荷による影響は明らかではない.(目的)本研究は運動負荷時に呼気中に排出される飛沫・エアロゾルの濃度を測定することとした.(方法)対象は健常成人39名とした.飛沫・エアロゾルの計測はパーティクルカウンターを用い,10秒間の採集を1試行として24回連続して行った.運動課題はエアロバイクを用いたインターバルトレーニングとし,運動負荷は採集開始30秒後(試行4)から60秒後(試行6)と180秒後(試行19)から210秒後(試行21)までとした.運動負荷条件下では全力ペダリングとした.運動負可条件以外の試行では無負荷としペダリングは快適に行える回転数とした.(結果)粒子径0.3~0.5μm未満,0.5~1.0μm未満は運動負荷の有無に関係なく,全試行を通じて粒子濃度が上昇を続けた.粒子径1.0~2.0μm未満,2.0~5.0μm未満は運動負荷とともに濃度の上昇が見られ,運動負荷の停止とともに減少に転じた.(結論)粒子径0.3~0.5μm未満,0.5~1.0μm未満は被験者周囲に長く滞留し,粒子径1.0~2.0μm未満,2.0~5.0μm未満は空気抵抗や重力の影響を受け速やかに落下したものと考えられた.スポーツ時の感染予防策として飛沫対策だけでなく,エアロゾルに焦点を向けた対策も合わせて実施する必要が考えられた.(著者抄録)

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